刊行物
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執筆者 | 吉原 久仁夫 |
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発行年月 | 2003年 10月 |
No. | 2003-32 |
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台湾の経済発展と環境の関係は環境クズネッツカーブで説明されるところが大きい。しかし、環境の指標によっては改善が遅れたり、早かったりする。台湾の場合、大気汚染が早く改善され、現在では台北の有害化学物質の濃度は東京とあまり変わらなくなっているのに対し、水質の改善は大きく遅れている。水質改善の遅れはどの国でも見られるパターンなのであろうが、台湾の下水道普及率はより所得の低い韓国よりも遅れているので、水質改善の決定要因は所得水準だけではない。台湾の場合、政治に影響力を持つエリートの台湾へのコミットの度合いが少し低いことがもう一つの要因ではないかと考えられる。