刊行物
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執筆者 | 横田一彦 |
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発行年月 | 2005年 4月 |
No. | 2005-03 |
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拡張された2部門不均衡アプローチの枠組みの中で、先進国、途上国あわせて51カ国、24年間のサンプルを用い、国際貿易が経済成長に与える経路を明らかにし、東アジア諸国が他の国々と異なるか否かを検証した。その結果、輸出産業と非輸出産業の間の生産性格差、輸出産業から非輸出産業への技術・知識のスピルオーバー、および輸入中間財と国内中間財の生産性格差が経済成長に重要な役割を演じていることが確認できた。さらに、経済成長メカニズムの違いによってグループ化された東アジア諸国は生産性格差と外部経済効果の点で他の発展途上国のみならず先進諸国とも異なり、国際貿易が経済成長に大きな影響を与えるメカニズムを持っていることが確認できた。このうち技術・知識のスピルオーバー効果は市場の歪みが是正された後にも持続する可能性があり、経済発展の見地からは特に重要である。