刊行物
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執筆者 | 戴 二彪 |
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発行年月 | 2011年 3月 |
No. | 2011-09 |
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中国は,改革開放以降の持続的な高成長によって,世界経済における存在感が拡大しつつある。しかし,急速な経済成長と同時に,中国の資源・エネルギー消費量および温室効果ガスの排出量も急増している。近年において,新興経済大国であり温室効果ガスの最大の排出国として,中国は国際社会からこれまでにない圧力を受けている。2009年12月にデンマークのコペンハーゲンで開催された「国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)」以降,中国国内では,気候温暖化など環境問題への関心が急速に高まり,先進国の経験を参考にしながら,選択すべき「低炭素発展」の方向性に関する議論を積極的に進めている。それと同時に,中央および地方から,低炭素経済戦略または低炭素発展戦略が打ち出されている。本稿は,中国における低炭素経済戦略の背景,位置づけ,およびそれを実現するための中央と地方の取り組みを考察したうえ,中国の低炭素経済戦略の問題点および日本にとってのビジネス機会と課題を検討する。