刊行物
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執筆者 | 新見 陽子 |
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発行年月 | 2015年 3月 |
No. | 2015-02 |
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国の豊かさや生活水準を測る尺度として,これまで主に一人当たりGDPなどといった経済指標が使われてきた。しかし,近年,そのような指標のみでは人々の生活の質を把握するには不十分ではないかという問題意識を背景に,一人当たりGDPに代わる指標の策定に取り組む動きが世界各国でみられる。本稿の目的は,人々の生活の質をより正確に把握し,またその向上を目的とした社会政策を立案・施行するためにどのような指標が有効であるかを,先行研究や各国の事例,日本のデータを用いて考えることである。いくつかの問題点がありながらも,各国が策定した新たな指標には幸福度や生活満足度などといった主観的指標が含まれる傾向がある。日本のデータからも,主観的指標が,人々の生活の実態を把握するうえで重要な情報・知見をもたらしうることが示唆される。ただ,そのような情報を有効に活用し,政策立案に反映させていくためには,幸福度などに関する更なる研究が必要であることは否定できない。