刊行物
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執筆者 | チャールズ・ユウジ・ホリオカ |
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発行年月 | 2019年 12月 |
No. | 2019-13 |
ダウンロード | 608KB |
:ライフ・サイクル仮説は,経済学の分野において最もよく使われている理論モ デルであるといっても過言ではない.本稿では,まず利己主義を前提とした最も単純 なライフ・サイクル仮説について簡単に解説し,そうした後に筆者のこれまでの研究 成果に重点を置きつつ,様々な分析方法・データを用いた研究を概観し,日本におい てライフ・サイクル仮説が成り立っているか否かについて検証する.具体的には,人 口の年齢構成の貯蓄率に与える影響に関する研究,退職者の貯蓄行動に関する研究, 貯蓄目的に関する研究,遺産の重要度に関する研究,遺産動機に関する研究,利他主 義の有無を検証しようとする研究,借り入れ制約(流動性制約)の重要度に関する研 究を概観し,ほとんどすべての分析結果が日本ではライフ・サイクル仮説が他国以上 に成り立っているということを示唆するということを示す.つまり,本稿のタイトル で示した問いに対する答えは紛れもなく「イエス」である.最後に,日本でライフ・サ イクル仮説が成り立っているという結論の政策的インプリケーションについて考える.