The Asian Growth Research Institute (AGI) invites researchers who work on Asia to present their work at AGI seminars. The participation fee is free for these seminars. The seminars are mainly for researchers, but the general public is also welcome to attend.
3:00-5:00pm on Tuesday, September 24, 2019
6th fl. Meeting Room, Asian Growth Research Institute
(6th fl., Otemachi Bldg. “MOVE”, 11-4 Otemachi, Kokurakita-ku, Kitakyushu)
Free
Japanese for both presentation and hand-out material(s)
Dr. Fumio Ohtake
(Professor, Faculty of Economics, Osaka University)
Topic:「防災避難の行動経済学」
Abstract:
豪雨災害が頻発するようになってきた。豪雨災害による被害を最小限にするためには、堤防や砂防ダムの強化というハード面の災害対策が重要である。しかし、全ての住宅地をハードの対策によって災害被害をゼロにすることは、費用面から考えても現実的ではない。災害から命を守るためには、人々が予防的な避難行動をとることが重要である。従来、避難を促進するために行われてきた手法は、ハザードマップによる危険度の確認や避難場所を知るという防災知識の教育である。実際、広島県では2014年の土砂災害を受けて防災教育に力を入れてきた。そのせいかが上がって避難場所や避難経路を確認した住民の比率は当初の13%から2018年には57%に上昇した。しかし、2018年7月の豪雨では実際に避難した人の比率は非常に低く、多くの犠牲者が出た。つまり、知識と行動の間にギャップがあった。そこで、本研究では、このギャップの解消に、行動経済学的手法を使えないかを検討した。避難行動を止まらせている様々な行動経済学的なボトルネックを検討し、予防的避難を促進するメッセージを複数作成した上で、広島県民を対象にランダム化比較試験による効果検証を行った。分析の結果、社会規範と本人の避難行動の外部性について損失フレームで伝えるメッセージが避難意思を高める上で最も効果的であった。
◆詳細 [PDFファイル]
date:2019.09.02
Category:Seminars