PUBLICATIONS & REPORTS

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釜山港 T/S 日本発着貨物の現状分析とモデル化

Author Sung-Il Han
Affiliation The International Centre for the Study of East Asian Development,Kitakyushu
Date of Publication 2014.3
No. 2013-07
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Contents Introduction

本調査報告書は,公益財団法人国際東アジア研究センター(ICSEAD)の研究プロジェクト「釜山港T/S日本発着貨物の現状分析とモデル化」(2013年度実施)の成果物として提出したものである。当プロジェクトは,2012年度に実施した「九州地方を中心とする東アジアシームレス物流の可能性の統計的基盤調査」プロジェクトの続編でもあり,研究対象を具体化して深度のある報告書として仕上げることに努めている。

かつて東アジア国際海上物流ハブの役割を果たしていた日本の主要拠点港湾は,平成7年の阪神淡路大震災をきっかけとして成長に伸び悩んでおり,現在も東アジア物流ハブの座を取り戻せる気配は感じにくい状況にある。それには,シンガポール・中国・韓国といったグローバル物流ハブを目指している近隣の強力なライバルの存在と,荷主と船社の経済活動の結果による日本港湾離れが大いに起因しているであろう。特に,最近は韓国の釜山港を日本の外貿に利用する,いわば「日本港湾の釜山港フィーダー航路化」の傾向も顕著になっているようである。日本の港湾政策の一面から見れば非常に残念なことであるが,裏返してみると,むしろ今後の日本港湾の歩むべき姿や港湾物流経済の活路が見出せる可能性もある。

本調査研究の目的は,最近の日本港湾の釜山港フィーダー航路化の現状を明らかにし,その示唆点を考察する上,今後の日本港湾のグローバル化に向けて展望することである。