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戦後日本における米生産構造の計量分析: 1956-97

Author 黒田 誼
Affiliation The International Centre for the Study of East Asian Development,Kitakyushu
Date of Publication 2014.3
No. 2013-09
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Contents Introduction

本報告書の主要な目的は,戦後20世紀後半(1956-97)における日本の米作の技術構造を,包括的な定量的検証を行ってみようという試みにある。この目的を出来る限り厳密且つ整合的な形で包括的に理論的且つ実証的に遂行するために,本報告では可変(VC)関数モデルAおよびモデルBを導入することにしたい。それらに基づく推計結果を比較考量しながら定量的検証を押し進めて行こうとすることが本報告の一つの特色である。ここで,両モデルの違いは,VC関数における技術変化を表す代理変数の導入の仕方にある。つまり,モデルAにおいてはあらゆる技術革新を含む代理変数として時間変数を用い,モデルBにおいては公共の技術革新の代理変数(R&D及び普及(Extension))活動としての技術知識ストック(R&E)を導入した。さらに,両モデルにおいて,農企業は観察期間(1年)では最適水準での使用を達成していそうにない労働および土地は準固定的投入要素として取り扱うことにする。したがって,モデルAもモデルBも短期VC関数モデルであると見なす事が出来る。さらに、必要に応じて,これら準固定的投入要素(例えば、水田)のシャドウ価格を推計する事ができる,という魅力的な特徴をも持っている。