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中華系企業の経営と成長ダイナミズムの研究

Author Chikashi Kishimoto
Affiliation The International Centre for the Study of East Asian Development,Kitakyushu
Date of Publication 2014.3
No. 2013-12
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Contents Introduction

本報告書は,公益財団法人国際東アジア研究センター(ICSEAD)の研究プロジェクト「中華系企業の経営と成長ダイナミズムの研究」(2013年度実施)の成果である。当プロジェクトは,近年,停滞する日本企業を尻目に急速に成長するアジア企業,とりわけ中華系企業に注目し,その経営の特徴と成長性の高さの理由を探ろうとするものである。中華系企業は,一般に,オーナー経営者(トップ経営陣)への権限集中,選択と集中,迅速で大胆な投資戦略,オープン・ネットワークの積極的活用,新興国を含む現地市場ニーズへの柔軟な対応などを特徴とすると認識される。こうした特徴がグローバル経済化時代に適合し,高い成長性に繋がっていると見られる。他方,日本企業は,現場の創意工夫と改善,終身雇用を基本とした年功序列の昇進体系と賃金制度,株主の利益よりも銀行と企業間の株式の持ち合いによる安定的秩序の重視といった特徴をもつ日本型経営により一時代を築いたものの,近年では経済のグローバル化,産業のモジュール化が進む中でかえって適応不順に陥り,後発組のアジア企業にその地位を脅かされる状況となっている。