PUBLICATIONS & REPORTS
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Author | Kiyota Koz |
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Date of Publication | 2003. 6 |
No. | 2003-09 |
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本論文は日本の財の貿易に直接・間接体化されたサービスの規模を明らかにしようと試みるものである.分析の期間は1985年から1995年までであり,データには日本の産業連関表を利用する.分析の結果,日本の財の貿易に体化されて貿易されるサービスの規模は非常に大きいことが明らかになった.またこの時期の財貿易のサービス・コンテンツ比率(直接貿易サービスに間接的に貿易されるサービスを加え,それを産出規模で調整したもの)に注目すると,研究開発のコンテンツが非常に高いことが確認された.さらに興味深い事実は,輸出に体化されている研究開発サービス269億6,100万ドルのうち,84.3%は機械製品の輸出を通じて行われていることである.この結果を相手国別に分析すると,先進国(米国)向け輸出に体化された研究開発シェアは観測期間を通じて減少する傾向にあるが,東アジア向けの輸出に体化された研究開発サービスのシェアは拡大していることがわかった.この結果は,1985年以降,日本から東アジア諸国への技術波及が進んでいることを明らかにするものであり,またCoe and Helpman(1995)で利用されていた仮定—研究開発のスピルオーバーは機械製品の輸出を通じて行われる—を支持するものである.